お寺への「墓じまい」の切り出し方|角が立たない電話・手紙の文例と挨拶手順

コラム

更新日 2026年10月22日

お寺への「墓じまい」の切り出し方|角が立たない電話・手紙の文例とご挨拶の手順

お寺への「墓じまい(改葬・墓石撤去)」の話は、いきなり本題に入らず、まず電話でお時間をお願いし、お寺で直接お会いして伝えるのが基本です。伝えるときは「家の事情で、お墓を続けるのが難しくなりました」と、これまでのお礼とあわせて正直にお話しします。

もし離檀料などお金の話が出ても、その場で決めず、いったん持ち帰って構いません。この記事に、そのまま写して使える「電話の台本」と「お手紙の文例」を用意しましたので、ご自身の状況に合わせてお使いください。

1. 切り出す前に確かめておくこと

お寺に話す前に、次の4つを家族で整えておきます。聞かれたときに答えられると、話が進みやすくなります。

  • 家族・親族の意見がそろっているか(後からのトラブルを防ぎます)
  • お墓の名義人(墓地使用者)は誰か
  • お墓に納まっているのは、どなたか(戒名・没年が分かると安心です)
  • 遺骨をこの先どこで供養するか、おおよその行き先(樹木葬・納骨堂・永代供養・手元供養など)

最後の「行き先」は大切です。改葬(遺骨を別の場所へ移すこと)の申請では、移す先の受入証明書や使用許可証などを求める市町があるからです[出典5]。行き先が決まっていると、お寺にも「その後」を安心して伝えられます(※まだ親族間で迷いがある場合は、一度自宅で安置する「手元供養」という選択肢もあります)。

もう1つ、お墓の使用についての書類(墓地使用規則や契約書)が手元にあれば、目を通しておきます。曹洞宗宗務庁は、墓地使用規則などがあるお寺では、その規則で定めた手続きや義務を守るべき場合があると注意しています[出典2]。

2. 切り出す順番は「電話、面会、お手紙」

角が立たないおすすめの順番は次のとおりです。

  1. お寺に電話をして、相談したいことがあると伝え、会う日時を決める
  2. 当日、直接お会いして、墓じまいを考えていることを話す
  3. 県外など遠方でうかがえないときは、電話のあとにお手紙で気持ちを伝える

大切なのは、いきなり書面だけで「墓じまいします」と一方的に伝えないことです。長年お世話になったお寺には、まず声で、できれば顔を見て伝えるのが礼儀にかなっています。

浄土宗の公式サイトでは、お布施は読経や法事の報酬ではなく、布施行(仏道修行)に由来すると説明されています[出典3]。お寺とのお付き合いを、料金のやり取りだけで考えない姿勢は、円満な話し合いの土台になります。

3. そのまま使える電話の台本

電話は、お寺の忙しい時間(法要・お参りの時間、お盆やお彼岸の時期)を避けます。朝早すぎる時間や夕食時も控えます。

【最初のあいさつ】 「お忙しいところ失礼いたします。○○家の△△(名前)と申します。いつもお世話になっております。ご住職(または奥様)はいらっしゃいますでしょうか」 【用件を伝える】 「お墓のことで、ご相談したいことがございます。お電話では失礼ですので、一度お時間をいただいて、直接お話しさせていただけないでしょうか」 【日時を決める】 「○月○日の午前、または○月△日の午後はいかがでしょうか。ご都合の良い日を教えていただければ、合わせてうかがいます」 【締め】 「お忙しいなか、ありがとうございます。それでは○月○日の○時に、うかがいます。どうぞよろしくお願いいたします」

住職が出られない場合は、「また改めてご連絡します」と伝え、用件の詳しい内容は話さなくて構いません。

もし電話の時点で理由をたずねられたら、次のように答えます。

「家の事情で、今後お墓を守っていくことが難しくなりました。そのことで、一度ご相談させていただきたいのです」

4. そのまま使えるお手紙の文例

遠方でうかがえないとき、または面会のお礼に添えるお手紙の文例です。手書きの縦書き、白い便箋が丁寧です。

拝啓 時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。平素より先祖代々の墓所につきまして、格別のお力添えを賜り、心より御礼申し上げます。 さて、このたび私ども家族で話し合いを重ねました結果、○○家の墓所を今後も守っていくことが難しくなり、墓じまいをさせていただきたいと考えるに至りました。長年お世話になりましたご恩を思い、まことに心苦しく存じております。 つきましては、一度お時間をいただき、直接ご相談させていただければ幸いでございます。お忙しいところ恐れ入りますが、ご都合のよい日をお知らせいただけますでしょうか。 末筆ながら、貴寺のご繁栄とご住職様のご健勝をお祈り申し上げます。 敬具 令和 年 月 日 ○○県○○市○○町 ○丁目○番○号 ○○ △△(墓地使用者の名前) 電話 ○○○-○○○○-○○○○ ○○寺 ご住職 ○○ ○○ 様

書くときのポイントは3つです。

  • 「やめる」「解約」という強い言い方を避け、「続けることが難しくなった」と事情として書く
  • 理由を細かく書きすぎない(高齢や遠方など、家の事情で十分です)
  • 金額の話は書かない。お会いして(またはお電話で)話すと伝える

5. お会いした日の話し方

当日は、次の流れで話すと角が立ちにくくなります。

  1. 先にお礼を言う(これまで先祖代々のお墓を守っていただいたこと)
  2. 事情を短く伝える(継ぐ人がいない、遠方で通えない、高齢でお参りが難しいなど)
  3. 「墓じまいを考えている」と伝え、お寺の考えを聞く
  4. 今後の段取りや、必要な書類(埋葬証明の記名・押印など)をたずねる
  5. 結論を急がず、「家族でも相談して改めてご連絡します」と締める

手みやげは、あっても構いません。ただし、渡す・渡さないが話の本筋ではありません。気持ちが伝わる、小さな菓子折り程度で十分です。

避けたいことは次のとおりです。

  • 最初から「いくらかかりますか」と切り出す
  • 他の寺院や霊園の名前を出して、比べるような話し方をする
  • お寺の対応への不満を並べる
  • その場で「分かりました、払います」と高額な金額を即決で約束する

6. お金の話が出たときの考え方

「離檀料」という言葉を聞くことがあります。国民生活センターは、離檀料を「寺にお礼として支払うお布施の意味を持つもの」とし、料金に明確な基準はなく、基本的には当事者間で話し合うことになると案内しています[出典1]。曹洞宗宗務庁も、宗門として離檀料の取り決めはなく、離檀料をいただくようにという指導も行っていないとしています。地域の風習やお寺と檀信徒の関係の中で、話し合いで決まるものと考えている、との見解です[出典2]。

ここで大切なのは、次の2点です。

  • 全国一律の料金の決まりは見当たらないこと[出典1][出典2]
  • 一方で、お寺の墓地使用規則や、これまでの管理費の未払いなど、確認すべきことが別にあるかもしれないこと[出典2]

お金の話が出たら、その場で結論を出さず、こう伝えて持ち帰ります。

「ありがとうございます。家族とも相談して、改めてお返事させていただきます」

金額に納得できない、根拠がはっきりしないと感じたときは、相談窓口があります。くわしくは「山口県の離檀料の相場はいくら?高額請求を防ぐ話し合い方と困ったときの相談先」をご覧ください。なお、山口墓じまいセンターは、お寺との交渉を代わりに行うことはできません。法律の判断が必要なときは、弁護士にご相談ください。

7. 話がまとまったあとの流れ

お寺の了解が得られたら、おおまかに次の順で進みます。

  1. 遺骨の行き先を決め、受入先から必要書類(受入証明書など)をもらう
  2. 現在の墓地の管理者(お寺が管理者の場合はお寺)に、遺骨が埋葬・納骨されている事実の証明をお願いする
  3. 墓地がある市町の窓口に、改葬許可を申請する
  4. 閉眼供養(魂抜き)を行う場合は、日にちをお寺と相談する
  5. 墓石の解体・撤去工事と更地化を行う

2番の証明は、法令では、現在の墓地の管理者が作成した、埋葬・埋蔵・収蔵の事実を証する書面とされています。管理者がいないなど、これによりがたい特別な事情があるときは、市町村長が必要と認める書面で代わることもあります[出典4]。お寺と先に話し合っておくと、この証明もお願いしやすくなります。申請書は、墓地使用者などが市町に出します。

8. よくある質問

Q. 手紙だけで済ませてはいけませんか。

A. 遠方で、どうしてもうかがえない事情がある場合は、お手紙や電話から始めても構いません。ただ、はじめにお電話でお伝えして、お手紙で気持ちを添え、可能なら一度お会いするのが、いちばん丁寧です。

Q. 離檀料を請求されたら、必ず払わなければなりませんか。

A. 払う・払わないを、一般論として言い切ることはできません。国民生活センターは、料金に明確な基準はなく、当事者間で話し合うと案内しています[出典1]。曹洞宗宗務庁は、墓地使用規則があるお寺では、その規則の手続きや義務を守るべき場合があるとも述べています[出典2]。金額の根拠を丁寧にたずね、その場で決めずに持ち帰り、不安があれば相談窓口を使ってください。

Q. お寺が話を聞いてくれない、感情的になってしまった場合は。

A. 無理に当日で決着をつけようとせず、いったん日を改めます。お手紙で改めて感謝とお願いの気持ちを伝える方法もあります。話し合いが行き詰まったときは、消費生活センターなどの相談窓口をご利用ください。

Q. 墓じまいの話を、どのくらい前に切り出せばよいですか。

A. 決まった日数はありません。改葬許可の申請から工事まで、書類のやり取りや日程の調整が続きます。お墓の撤去を予定する日から逆算し、余裕を持って、早めに話し始めるのが安心です。

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山口墓じまいセンターは、山口県内全域でお墓じまい(墓石の解体・撤去・きれいな真砂土による更地化)を専門に行う自社施工店です。お寺の境内墓地や、重機が入らない階段・山道のお墓にも丁寧に対応いたします。

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※山口墓じまいセンターが行うのは墓石等の撤去工事です。お寺との交渉代行や改葬許可申請書の作成代理は行えません。手続きの詳細は墓地のある市町の窓口へご相談ください。

出典・参考資料

  1. 国民生活センター「離檀料とは何ですか」(消費生活相談FAQ)https://www.faq.kokusen.go.jp/faq/show/1142?site_domain=default 閲覧日 2026-10-20
  2. 曹洞宗宗務庁「離檀料に関する見解」https://www.sotozen-net.or.jp/syumucyo/20231025_1.html 閲覧日 2026-10-20
  3. 浄土宗「よくある質問(お布施について)」https://jodo.or.jp/faq/ 閲覧日 2026-10-20
  4. 墓地、埋葬等に関する法律施行規則(e-Gov法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/law/323M40000100024/ 閲覧日 2026-10-20
  5. 山口県内19市町の改葬窓口の案内(各市町公式ページ。山口市の改葬手続き解説ページほか)確認日 2026-10-06

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