山口県の墓じまいで使える補助金・助成金はある?19市町すべて調べました
(2026年8月27日 調査)
【結論】個人向けの「墓じまい補助金」は、見つかりませんでした
先に、いちばん知りたいところからお答えします。
2026年8月27日時点で、山口県内の19市町と山口県の公式サイトを1件ずつ確認しましたが、個人が自分の意思で行う墓じまい(改葬・墓石の撤去)の費用を直接助成する制度は、確認できませんでした。
国の制度(厚生労働省・国土交通省)にも、そうした全国共通の補助金はありません。
「調べたけど見つからなかった」ではなく、19市町すべての公式ページ・条例・申請様式を開いて確認した結果です。
ただし、ここで読むのをやめないでください
補助金はありません。
でも、実際に負担を下げられる方法は、確かに存在します。
しかもそれは、知らないと1円ももらえずに終わる種類のものです。
この記事では、次の3つをお伝えします。
- 実際にお金が「戻る」制度(7つの市で確認。最大50%)
- なぜネットには「補助金がある」と書いた記事があふれているのか(その正体)
- 役所に電話するとき、何と聞けばいいのか(そのまま使える文例)
なぜ「墓じまいに補助金が出る」という記事が大量にあるのか
検索すると、「自治体の補助金が使える」と書いた記事がたくさん出てきます。
読んで実際に役所へ電話すると、「そういう制度はありません」と言われます。
なぜこんなことが起きるのか。
原因は、まったく別の3つの制度と、混ざってしまっているからです。
すり替え①:「無縁墳墓の整理」
これは市が、市の判断で行う事業です。
お参りする人がいなくなり、連絡も取れなくなったお墓を、市が公告などの手続きを経て整理する制度です。山口県内でも、萩市・防府市・光市・美祢市・山陽小野田市の条例で確認できました。
たとえるなら、持ち主のわからない放置自転車を市が撤去するのと同じです。
持ち主であるあなたが「うちのもやってください」と申し込める制度ではありません。
すり替え②:「公共事業に伴う移転補償」
道路や河川の工事で、行政の都合でお墓をどかしてもらう必要が生じたとき、行政が引っ越し代を負担する制度です。国土交通省に算定要領があります。
これは補助金ではなく、迷惑をかけた側が払う弁償です。
自分の都合で墓じまいをする場合には使えません。
すり替え③:「空き家の解体補助金」
多くの自治体に、危険な空き家を壊すときの補助金があります。これは実在します。
しかし対象は「建築物」です。墓石は建築物ではありません。
「解体費が出るなら墓石も」と思いたくなりますが、制度上、対象外です。
実際にお金が戻る制度:市営墓地の「使用料還付」
ここからが本題です。
市営・町営の墓地を使っている方に限りますが、返すときに、最初に払った使用料の一部が戻ってくる制度があります。
これは補助金ではありません。返金です。
なぜ返ってくるのか
市営墓地の使用料は、家賃のように毎月払うものではなく、最初に一括で払うのが一般的です。
その区画を返すということは、残りの期間を使わないということ。だから一部が戻る、という考え方です。
ただし、条件がかなり厳しいです。
山口県内で確認できた還付制度
公式サイト・条例で内容を確認できた市だけを載せます。
| 市 | 戻る割合 | 主な条件 |
|---|---|---|
| 下関市 | 使用料の 50%(中央霊園の永代管理料は60%) | 許可後3年以内・墓石を建てていないこと・更地に戻すこと |
| 萩市 | 使用料の 50% | 許可後1年以内・未使用であること・原状回復 |
| 防府市 | 使用料の 50% | 未使用での返還・原状回復 |
| 下松市 | 約 50% | 許可後1年以内。原則は不還付 |
| 光市 | 未建立 50% / 建立後は原状回復して 30% | 管理手数料は戻らない |
| 美祢市 | 全部または一部 | 未建立・全部返還。割合は要問い合わせ |
| 山陽小野田市 | 使用料の返還あり | 未使用での返還。現行分は原則2年以内など |
山口市・周南市・岩国市・宇部市にも返還届や還付請求書の様式が存在しますが、割合や条件が公式サイト上で確認できませんでした。あるかもしれない、という状態です。必ず窓口に確認してください。
正直に申し上げます
この表を見て、多くの方はこう思われるはずです。
「もう墓石が建っているし、何十年も経っている。うちは無理だ」
そのとおりです。 条件の中心は「まだ使っていない」「許可から1〜3年以内」であり、すでに納骨されているお墓の大半は対象外です。
それでも載せたのは、次の2つのケースが実際にあるからです。
- 区画だけ買って、まだ建てていない(親が生前に買っていた、というケースは珍しくありません)
- 建立後でも一部戻る市がある(光市の30%など)
該当するのに知らずに返してしまうと、戻るはずのお金が1円も戻りません。 返す前に、必ず一度確認してください。
改葬許可の手数料は、いくらかかるのか
墓じまいには、「改葬許可証」という書類が必要です。遺骨を今の場所から別の場所へ移すための、市町村長の許可です。
この手数料は自治体によって違います。
下関市は、公式のよくある質問で「無料」と明記されています。
他の市町については、申請ページに金額の記載がありませんでした。書いていない=無料、とは限りません。 全国的には300円程度のところが多いですが、山口県内すべてが無料と断定することはできません。
いずれにせよ、費用全体から見れば、手数料は誤差の範囲です。ここを心配する必要はありません。
山口県19市町 一覧
○=制度あり(公式情報で確認) / ×=制度なしと明記 / △=公式サイトでは確認できず・要問い合わせ
| 市町 | 個人向け墓じまい補助 | 市町営墓地の使用料還付 |
|---|---|---|
| 下関市 | △ | あり(50%・条件付き) |
| 宇部市 | △ | 要問い合わせ |
| 山口市 | △ | 制度あり・割合は要問い合わせ |
| 萩市 | △ | あり(50%・条件付き) |
| 防府市 | △ | あり(50%・条件付き) |
| 下松市 | △ | あり(約50%) |
| 岩国市 | △ | 要問い合わせ |
| 光市 | △ | あり(50% または 30%) |
| 長門市 | △ | 要問い合わせ |
| 柳井市 | △ | 要問い合わせ |
| 美祢市 | △ | あり(割合は要問い合わせ) |
| 周南市 | △ | 制度あり・条件は要問い合わせ |
| 山陽小野田市 | △ | あり(未使用等) |
| 周防大島町 | △ | 要問い合わせ |
| 和木町 | △ | 要問い合わせ |
| 上関町 | △ | 要問い合わせ |
| 田布施町 | △ | 要問い合わせ |
| 平生町 | △ | 要問い合わせ |
| 阿武町 | △ | 要問い合わせ |
なぜ全部「×」ではなく「△」なのか
「制度が無い」と証明することはできないからです。
私たちが確認できたのは「公式サイトの中に見つけられなかった」ということまでです。
ページに載っていない制度や、今年始まった制度がある可能性は残ります。
「無い」と言い切る記事より、「無かった。だから電話で確かめてください」と書く記事のほうが、あなたの役に立つはずです。
役所に電話するとき、そのまま使える聞き方
「補助金ありますか?」とだけ聞くと、「ありません」で終わってしまいます。
制度の名前が違うだけで、実際にはお金が動く場合があるからです。
以下の順で聞いてください。
「墓じまいを考えています。3つ確認させてください。
1つめ。個人がお墓を撤去するときの補助金や助成金は、御市にありますか。
2つめ。市営墓地の区画を返す場合、使用料の還付はありますか。あるなら、割合と期限を教えてください。
3つめ。改葬許可申請の手数料はいくらですか。」
電話する先は、多くの自治体で「環境衛生課」「生活環境課」「市民生活課」のいずれかです。代表番号にかけて「墓地の担当課をお願いします」で繋がります。
聞いたら必ずメモすること
- 担当課の名前と、答えてくれた方のお名前
- 言われた日付
あとで「そんなことは言っていない」となるのを防ぐためです。特に還付の割合と期限は、お金に直結します。
よくある質問
Q. 生活保護を受けています。何か制度はありませんか。
葬祭扶助という制度がありますが、これはお亡くなりになった方の火葬・埋葬の費用が対象です。すでにあるお墓を撤去する費用は対象外とされています。お住まいの市町の福祉担当課に、ご自身の状況を伝えてご確認ください。
Q. 「補助金の申請を代行します」という業者から連絡が来ました。
まずお金を払わないでください。 今回の調査では、山口県内に個人向けの墓じまい補助金は確認できていません。存在しない制度の申請を代行することはできません。 不審に思ったら、消費者ホットライン 188 にご相談ください。
Q. お寺の墓地です。使用料は戻りますか。
還付制度は市町営墓地の話です。 寺院墓地や民営霊園の場合は、その墓地の使用規則によります。 契約書や使用規則をご確認いただくか、管理者にお尋ねください。
Q. 補助金が無いなら、費用を抑える方法はありませんか。
あります。見積もりの取り方です。墓じまいの費用は業者によって差が出やすく、またあとから追加料金を請求されるトラブルも報告されています。ここは補助金より効果が大きい部分です。
Q. 調査の日付が古くなっていませんか。
この記事は2026年8月27日に確認した内容です。制度は変わります。実際に手続きされる際は、必ずご自身で最新の情報をご確認ください。
出典
- 各市町公式サイト(墓地・改葬・霊園条例のページ)
- 厚生労働省「墓地、埋葬等に関する法律」関係ページ
- 国土交通省「改葬補償算定要領」
- 国民生活センター
お墓のことで迷ったら
補助金は見つかりませんでした。
けれど、墓じまいで本当に大変なのは、お金だけではありません。
書類のこと。親族のこと。ご遺骨の行き先のこと。
どこから手をつければいいのかわからない、という段階でも構いません。
お見積もりだけ、ご相談だけでも承っています。
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